中小企業の中継輸送、条件の違いにより継続は難航

  • 2017年10月19日
  • ヨンビス
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トラック側面
画像はイメージです

国土交通省は、2017年1月から2月にかけて、長距離輸送の中継地で荷物を交換する「中継輸送(スイッチ輸送)」の実証実験を、中小運送会社を使って行いました。

この輸送方法は一例として、東京や大阪から出発したドライバーが東西の中心になる静岡を中継地点にします。ドライバーはお互いのトラックを乗り換えて出発地点に戻るので、その日のうちにドライバーは帰宅でき、労働時間を短縮できるメリットがあります。
 

異なる業者間でも導入が可能

  • 中継輸送は3パターンに分かれる
  • 異なる事業社間でも取り入れられる

中継輸送の実施にあたっての詳細は、国交省が2017年3月に発表した「中継輸送の実施手引き」に、検討手順などが解説されています。

中継輸送の方式は3パターンに分かれ、中継地点でトラクターを交換する「トレーラー・トラクター方式」、中継地点で貨物を積み替える「貨物積替え方式」、中継地点でドライバーがトラックを交代する「ドライバー交替方式」に分類できます。この3パターンの中でも、後ほど登場するG.R.トランス社が行ったドライバー交替方式は、もっとも短時間で交替作業を済ませられます。

さらに、長距離運送を取り入れたい会社が他社と協議・協定などを行うことにより、異なる事業社間でも中継輸送が可能になります。

帰宅時間を早め、労務環境改善が可能に

  • ドライバーのプライベートを充実させられる
  • 労働環境・雇用などの改善につながる

中継輸送を取り入れた会社は、賃金はそのままにドライバーの労働時間を短くすることが可能になるので、近年問題になっているドライバーの労働環境改善にもつながります。さらに、ドライバーがプライベートを充実させることも可能になるので、会社環境も良くなっていきます。

労働環境が改善され、ドライバーが早く帰れるようになると、雇用などにも好影響を与えられることが考えられます。

実際に中継輸送を継続させるのは難しい

  • 中小企業は両社の条件をマッチさせにくい
  • 輸送を行う会社や中間地点の管理会社との協力が必要

中継輸送は、車両や配送所などを豊富に備えている大手運送業では既に取り入れられている方法で、今回の実験は同方法を中小企業でも実現できるかが試されました。

埼玉県行田市に本社のあるG.R.トランスは、主にお米の運送を行っています。今回の実験では共に中継輸送を行う山形県山形市のTisco(ティスコ運輸)と協議して、中継輸送の費用や時間、荷物などについて調整が行われました。

中継輸送の中間地点は、両社が普段から活用しているガソリンスタンド宇佐美の白河インター店が活用され、ドライバー同士が点検実施票を渡しあって車両を交替しました。

実証実験を行ったG.R.トランス社の感想は、中小企業同士だと費用・時間・荷物・トラックの違いなど、両社の条件をマッチさせにくいため、実際に中継輸送を継続させるのは難しく、中継地点でバラ積みした荷物を再度積み込む場合は、検品などにも時間が掛かることがネックになるとのことでした。

また、中継輸送を共同で行う会社や中継地点となる場所を管理する会社の協力が必須であり、輸送費などのコスト折半も必要になるそうです。

このように、中小企業が中継輸送を継続させるには様々なハードルがありますが、条件が合う会社が見つかれば、法令順守を意識しながら取り入れてみてはいかがでしょうか?

取材協力:G.R.トランス

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