厚労省、2017年11月を過重労働解消キャンペーン期間に制定

  • 2017年10月24日
  • ヨンビス
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走行するトラクターヘッド

厚生労働省は2017年の11月1日から30日の1ヵ月間を「過重労働解消キャンペーン」期間として、過重労働を無くすために事業場への重点的な監督を行うことになりました。

長時間労働を無くすための重点監督が実施される

  • 労災請求が過去にあった企業や、離職率の高い企業が対象
  • 企業の長時間労働削減例も紹介される

この月間は、過去に過労死などの労災請求があった事業場、ハローワークなどに相談が寄せられた、離職率が極端に高い企業への重点監督などが行われます。監督時は36協定と呼ばれる時間外・休日労働に関する協定の範囲内で従業員を働かせているか確認され、違法が認められた場合は是正指導、悪質な場合は送検や公表の対象にもなります。

また、長時間労働が確認された場合は、長時間労働者に医師の面接指導が行われます。さらに、長時間労働の削減に向けた取り組みを行っている企業である「ベストプラクティス企業」の取り組み例も厚労省のホームページで紹介される予定です。

長時間労働を減らし、有給を取得させる必要も

  • 労働基準違反の事業所数は横ばい
  • 有給取得のための対策も求められる

この過重労働解消キャンペーンは2014年から継続して行われていますが、労働基準法違反になった運送業事業所の数は横ばい状態で、2014年は3811社2015年で3718社となっています。このような状況を解消させるために、厚労省は過重労働解消キャンペーン以外に、インターネットや電話での相談窓口開設を2014年以降行っています。

また、厚労省によると、長時間労働の削減と共に求められる年次有給休暇の取得は、会社が取得しやすい時期や、祭りといった地域イベントに合わせて取ると良いとのことです。

さらに、運送業の有休取得例としては、連休が取りにくい部署に連休制度を設けることや、管理者が率先して連休を取得することが挙げられます。会社によっては、時間単位で有給が取得できる時間単位有給や、半日有給制度の導入なども行われています。

2017年8月にドライバーの過労死が労災認定された

  • 長時間労働によってドライバーの過労死が発生
  • 労災を減らすために、労働環境改善が必要

過重労働解消キャンペーンは今後も継続的に行われると思いますが、残念ながら長時間労働によるドライバーの過労死も発生しています。

これは2017年8月に長野県でトラックドライバーの過労死が労災として認定された件で、無くなる直前の時間外労働時間は114時間、拘束時間314時間を記録していました。

この件は当初、会社側は労災申請が難しいと遺族側に伝えていましたが、遺族側が弁護士に相談したところ、労災申請を認め未払い賃金の支払いや資料の提出が行われるなど、対応に問題がありました。

運輸業は長時間の運転により精神・肉体的緊張が続き、不規則な乗務形態なども要因となり、労災年金支給が最も多い職種です。しかし、長時間労働規制は2017年になるまで行われていませんでした。これからは、このような件を再発させないためにも、さらなる労働環境改善が求められています。
(取材協力:厚生労働省

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