国交省、関東一円で過積載一斉取り締まりを実施

  • 2017年11月15日
  • ヨンビス
ニュース
輸送道路
画像はイメージです

国土交通省は2017年11月に、警察や高速道路株式会社等と協力して、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県の一都三県にある高速道路の料金所など合計18箇所で、一斉に過積載の取り締まりを行いました。

過積載の取り締まりは2015年以降強化されている

  • 規定を超えた積載量を積んでいる車両が対象
  • 罰則に加えて、即時告発されることも

過積載とは、トラックなどの貨物自動車が規定を超えた積載量の貨物を積んで走ることを指しています。過積載の状態でトラックが走行していると、道路の構造物が劣化してしたり、橋に穴が空いてしまったりするなどの被害が生じてしまい、交通事故の原因にもなってしまいます。

過積載の取り締まりは、主に高速道路の入り口や料金所で行われ、カンカンと呼ばれる計量台にトラックを載せて重量が量られます。もしも過積載が認められた場合は、2点から6点の違反点数と、10万円以下の罰金支払いなどが発生します。

また、過積載の取り締まりは2015年以降から強化されていて、基準の2倍以上の違反を犯していた場合、車両を通行させていた運送会社が即時告発されるケースもありました。

過積載が行われるのは、ドライバー側が行う場合と、荷主側の指示により行われる2つのパターンに分かれています。もしも取り締まりなどにより過積載が発覚すると、行政処分として荷主に勧告書や警告書が送られます。

2017年11月に行われた一斉取り締まり

  • 117台中48台に違反発覚
  • 過積載車両は強制退出に

2017年の11月に行われた一斉取り締まりは、1都3県の高速道路を中心に2時間で合計117台の大型車両が計測され、うち48台は道路法違反が発覚しました。今回違反が発覚した車両は、2020年の東京オリンピックに関連した建設車両が多く、中には一定重量をオーバーしている際などに申請を行う、特車申請を行っていない車両も見つかりました。

違反が発覚した車両の中でも、過積載などの重量違反の場合は走行すると道路へ負担を与えるため、強制的に高速道路から退出させられました。

今後は荷主への取り締まりも強化される

  • 荷主についての聴取や記載が行われる
  • 長時間労働などの違反を発見・是正するため

国土交通省は今後も過積載の取り締まりを定期的に行っていきますが、2018年度以降は、過積載の取り締まり時や特車申請時に、荷主についての聴取や記載が行われる予定です。特車申請時に荷主情報を記載してもらった場合は、車両通行許可の審査が10日程度優先的に行われる予定になっています。

荷主についての聴取や記載を行う狙いは、地方運輸局が荷主の情報把握を行い、違反情報などを労働問題対策機関に提供することで、長時間運転などの法令違反を発見・是正する狙いがあります。

また、2016年の過積載一斉取り締まり時にも、荷主についての質問が過積載ドライバーに行われました。この時ドライバーは、荷主名と荷主の業種については半数以上が答えていましたが、関与や指示については無回答でした。

全日本トラック協会が2016年に行った荷主に関するアンケートでは「荷主から過積載を強制された」ことがある事業者が15%に上ったことから、今後取り締まりなどがより厳しくなることが考えられます。

取材協力:国土交通省関東地方整備局・道路部

関連情報

特殊車両の通行許可、申請数増加で1年近くを要する事態に

関連ニュース

国土交通省、首都圏での過積載合同取り締まりを実施

http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000904.html