国交省「重要物流道路」の制定へ

  • 2018年02月15日
  • ヨンビス
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コンテナトラック
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政府は、「道路法等の一部を改正する法律案」を、2018年2月に閣議決定させました。この法律案の中で、物流上重要な道路である「重要物流道路」を制定することが決まりました。

道路法改正の概要

  • 道路の安全性強化
  • 重要物流道路の制定

今回の法律案には、道路の安全性をさらに高め、物流生産性を高めるという目的が含まれています。道路の安全性については、以下の3点を中心に整備・制定が行われます。

  • 橋梁や道路の修繕
  • 落石などの事故を防ぐための補修
  • 重要物流道路を制定

道路の安全性については、2018年2月現在、国内の橋梁の61%に措置が必要で、年間2万キロ程度修繕が必要な、老朽化した道路も問題となっています。また、落石事故や道路陥没を防ぐための補修や、電柱などによって幅が狭くなった道路の改善なども進められます。

特に落石事故防止に関しては、近年死亡事故などが発生していることから、新たな対策が講じられました。

これまでは、落石の起こる可能性がある土地の所有者は、その金額が数十万円から数百万円かかるという負担の大きさから、落石対策を行っていない者が多く見受けられました。このため、土地所有者に代わり道路管理者が、代理で落石対策を行うケースもありました。

しかし、もしも事故が起こり裁判になった場合は、対策を行った道路管理者が不利になります。このようなケースを防ぐために、土地所有者の落石対策が義務になり、法律を元に対策費用を捻出しやすくするなど、道路管理者が不利にならないための改正が行われました。

これらの整備・制定に合わせて、物流生産性を上げるために必要な「重要物流道路」の制定も行われる予定です。

「重要物流道路」が制定される

  • 国土交通省が制定する
  • 制定後は国による支援が行われる

「重要物流道路」は、常時安定した輸送を確保するために必要な道路のことで、国土交通省が制定を行います。制定は物流上重要になる幹線道路から選別され、選別された幹線道路は国による機能強化や重点支援が行われます。

この重要物流道路の支援内容は、以下の3点が挙げられます。

  • 道路の災害時復旧作業を国が負担
  • 大型トラックの通行に対応した基準制定
  • スマートIC整備のための費用の無利子貸し付け

重要物流道路では、災害時の復旧作業を国が代行して行うことや、近年台数が増えている海コンなど、大型化が進むトラックに対応した基準制定、高速道路から商業施設につなげる「スマートIC」を整備するための費用無利子貸し付けなどを行う予定です。

これらの支援を行うことで、平常時や災害時を問わず、安定した走行を可能にすることを目指します。

道交法一部改正による影響

  • 導入拡大に向けた環境整備
  • 国による支援の拡大

では、重要物流道路に加え、今回行われた道交法の一部制定によって、どのような影響が生じるのでしょうか?

  • 国道の修繕費用かさ上げ
  • 大型トラックの通行許可不要に
  • 緊急輸送道路の絞り込み

まず、老朽化した国道などを修繕するための費用が2027年度末までかさ上げされます。合わせて、道路区域外からの落石・落下物を防ぐために、沿道区域の土地管理者への措置命令権限が規定されます。

また、海コンや大型トラックが円滑に通行できるように特別な構造基準が設定され、今まで提出が必要だった特車通行許可が不要になります。

これは、コンテナを積んだ海コンの車両増加に伴い、道路構造上通行できないといった支障が発生していることが端を発しています。海コンの特車通行許可が必要な車両は、2016年に約30万台と計上されましたが、2026年には半減させることを目標にしています。

さらに、2016年に発生した熊本地震では、防災拠点と連絡する「緊急輸送道路」の通行止めが多く発生したことから、緊急輸送道路の見直しが行われた結果、約半分の道路が緊急輸送道路の要件を満たしていないことが分かりました。

緊急輸送道路は、都市と主要防災拠点を結ぶ連絡道路などであり、物資の供給などに必要となります。熊本地震のような事態を防ぐために、有効活用できる緊急輸送道路の絞り込みが行われれる予定です。

物流安定化のためにも、今後もこのような道路法等の改正が進むのではないでしょうか?

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