国土交通省は、2017年10月に中国自動車道で発生した、大型トラックのスペアタイヤ落下が原因となる死亡事故を受けて、事故防止のために大型トラックの緊急点検を行うようトラック関係団体に通達を行いました。
スペアタイヤ落下に端を発した事故
- 大型トラックからスペアタイヤが落下
- スペアタイヤにトレーラーが乗り上げて横転した
2017年10月に岡山県の中国自動車道で起きた事故は、大型トラックから落下したスペアタイヤが道路に落下して、後ろを走っていた親子が乗る軽自動車がそのスペアタイヤに乗り上げて故障、軽自動車に乗る親子は路肩に避難しましたが、さらに後続のトレーラーがそのスペアタイヤに乗り上げて横転し、路肩に避難していた親子が横転するトレーラーに巻き込まれて死亡してしまいました。
この事故では、スペアタイヤを道路に落としてしまった運転手が、落下に気づいていなかったことや、タイヤを固定するための留め具やチェーンも外れて落下していたことが判明しています。警察は過失運転容疑を視野に落下の原因などについて捜査を進めています。
スペアタイヤの確認は定期的に必要
- スペアタイヤは本来定期点検や車検で確認されている
- 脱落事故は6年で6件発生している
大型トラックに取り付けられているスペアタイヤは、車体裏側にボルトで固定されています。このスペアタイヤの固定状況確認は、主に3ヵ月に一度行われるトラックの定期点検や、年に一度行われる車検などで行われ、スペアタイヤを工具で叩いて、固定を行うチェーンやボルトが緩んでいないか確認します。
今回の件のようなスペアタイヤの脱落は、平成23年以後6年で6件メーカーに報告されていて、2017年4月には脱落したタイヤに車が乗り上げて事故が起こったこともあります。
実際は点検されていないこともある
- スペアタイヤは積荷扱いのため見落とされることもある
- 製造後10年経過したスペアタイヤは交換を
実は、トラックのスペアタイヤは積荷として扱われているため、点検項目事項には「必要に応じて点検する」ように記載されています。このため、点検時に見落とされることもあり、整備工場に状態確認を任せているケースもあるようです。
しかし、今回のような落下事故を防ぐためにも、スペアタイヤの点検も定期的に行うことや、製造後10年を経過したスペアタイヤは、見た目に問題が無くても交換することが求められるでしょう。
取材協力:国土交通省
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