近年のトラックドライバー不足問題に加えて、自動車整備士の人数も横ばい状態が続き、不足しています。このままでは、将来的にトラック業界にも影響が生じそうです。
給与や労働時間などがネックに
- 給与が標準より安く、労働時間も長め
- 女性の自動車整備士は極めて少ない
自動車整備士の人数横ばいについては、労働環境の悪化が原因となっています。この原因の要素としては、標準を下回る18万円前後の給与水準や車検時など繁忙期の労働時間の増加、女性の割合の低下などが挙げられます。
このような状況により、近年は整備士資格を取得する人が減ってきていて、整備士の専門学校入学者は平成15年から平成26年の間で半減しています(PDF)。整備士の資格を取得するには、専門学校などで知識と技術を学び、実務経験も十分積む必要があるだけに、この半減は厳しい状況です。
一方で世界レベルの整備士の存在も
- 世界大会で入賞した整備士も存在する
- メーカーが整備士の技術向上のために大会を開催している
整備士の人数は増えてきていませんが、国内で働く整備士の中には、高い技術を有している人たちも存在します。一例としては、自動車整備の世界大会で3位の成績を収めた女性整備士も働いていたりします。
また、トラックの整備技術向上・モチベーションアップのために、整備士のタイヤ整備技術を競う大会がタイヤメーカー主催で行われていて、入賞者はメディア取材などを受けています。
大会の内容は大型トラックのタイヤ取り付け・清掃・点検などの丁寧さや迅速さを競い、規定時間内での作業を1人または2人組で行います。合わせて、作業の順番やコミュニケーション能力なども問われ、価値の高いサービスが求められています。
整備士の労働環境改善が必要
- 資金援助などで環境改善が必要
- トラック業界にも影響がある
今後、自動車整備士が増えていかなければ、自動車やトラックの整備不足による事態も想定できます。このような事態を防ぐためにも、国が資金援助などを行い、整備士の労働環境を改善していかないといけないでしょう。労働環境の改善が進まないと、トラックの修理不能といったトラブルが多く発生し、道路を走る私たちが危険に晒されて行く可能性が考えられます。
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