ミキサー車の構造!生コンクリートの品質を新鮮に保ち排出する仕組み

  • 2021年07月06日
  • ヨンビス
ニュース

大きなドラムを回転させて走行するコンクリートミキサー車。よく見るとドラムが常に回転していますよね。なぜ回転しているのかご存知ですか?実はあの回転が、コンクリートの特性に合った運搬方法なのです。

ではあの特殊な大型車両は、どのようにドラムを回転させているのか?あの中はどうなっているの?今回はコンクリートミキサー車の秘密に迫ります!

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ミキサー車とは

ミキサー車とは、コンクリートミキサー車の事を省略して呼んでいます。業界関係者では攪拌=かくはんを意味するアジテートから取って「アジ車」と言う人もいます。コンクリートはどろどろの状態(生)でドラムの中に入っているので、生コン車も同じミキサー車の事を指します。

実はミキサー車はコンクリートを運搬するだけではなく、あのドラムの中に材料を入れてコンクリートを製造することもできる優れものなのです。そのため、ドラムの回転数を目的に合わせて変更することが出来ます。

ここでコンクリートについてちょっと詳しくひも解いてみましょう。コンクリートはプラント(工場)で作られています。最初からあのどろどろの状態ではなく、セメント+水+混和剤量+骨材(砂利)+細骨材(砂)を混ぜてコンクリートの素になる生コンクリートを作ります。モルタルはコンクリートに似ていますが、骨材(砂利)が入っていない状態です。

この生コンクリートの特性として製造過程で、混和剤量が投入されると固形化が始まります。これが、コンクリートが生もので早く打設しなければならない所以なのです。生コンクリートの固形化を遅らせるには、流動させ続けるのが一つの方法です。ミキサー車は、タンクの中で生コンクリートをミキシング(混ぜながら)しながら常に流動させ続け工事現場まで運搬します。プラントから工事現場までおよそ90分~120分の間が目安となっています。高速道路やダムなどの工事現場が山奥の場合では、現場の近くにプラントを建設し近隣でコンクリートを製造しています。

生コンクリートは構造物によって、混ぜる物の比率を変えるので特性が異なります。

  • 寒中コンクリート→雪国や冬の寒さが厳しい場所で、凍結に対応できる
  • 暑中コンクリート→暑い時期や水分の蒸発が著しい状況に対応できる
  • 鉛入りコンクリート→病院のX線等、放射線の影響が外に漏れないよう遮蔽
  • 高強度コンクリート→高層ビルなどの高い強度が必要な場所に対応できる

など、他にもダム、道路、等インフラ整備など耐久性の高いコンクリートがあります。構造物の強度や耐久性を決めるコンクリートの品質を守るためにも、ミキサー車は非常に重要な役割を担って走行しています。

ミキサー車の回転の仕組み

ミキサー車のタンクを回転させるには動力が必要です。PTOのスイッチがあるダンプやユニック車と違って、車両を止めてエンジンの動力をその時だけ必要とするタイプではありません。生コンクリートの特性上、常時タンクを回転させていなければならないのでエンジンからの動力を取り出せるPTOが直接取り付けられています。この働きにより、停車中でも加速中でも同じ安定したスムーズな回転を保つことが出来るのです。

ミキサー車の構造

ドラム・・・生コンクリートを投入して品質を落とさずに、工事現場まで運ぶためのタンク。生コンクリートは建物や構造物によって粘度が異なっています。どのタイプの生コンでも、ブレードで攪拌(かくはん)が必須。

ホッパ・・・プラントから生コンを受け取るための入口。大きな開口部には蓋がついていて、雨水や不純物が入らないようにしている。この部分もコンクリートの固着を防ぐために洗浄が必要。

シュート・・・排出されたコンクリートを、目的の場所に流出させるための出口です。旋回して無段階調整ができる車種もある。シュートの長さによって、降りたためる形状のものもある。

水タンク・・・生コンクリートが排出された後に洗浄するための貯水用のタンク。排出後すぐに洗浄作業をするため、始業前点検ではタンクの水位に注意。

レバー・・・後部右上部、後部左右でドラムの回転「投入」「混練」「排出」「洗浄」をコントロール。自動攪拌解除や非常停止ボタンなどは運転席でもコントロールできる。車種やグレードによっては、リヤに配線が伸びて操作できるワンハンドコントローラーがついているものもある。車体から離れたところより、安全確認をしながら操作できるので人気。

ステップ・・・ホッパの脇に上がるための階段。ステップの広さや手すりの形状で、使い勝手が若干違う。洗浄の時にも使用するので手すりの近くに、バケツやブラシなどの用具を引っ掛けるフックがあると便利。防錆処理をしていると、腐食を防げる。

スクリュー・・・タンクの中にあるブレード。洗浄時に長いホースや洗車ブラシを使用、塩ビでタンクの奥まで水が届くようにエル字に曲げたホースを製作して使用するドライバーもいる。排出後の洗浄でも生コンクリートが落ち切らないので、ブレードの裏側に固着したコンクリートが出来る。年に2回ほど掃除(はつり)が必要。はつりは、タンクの中に人が入り電動ピックやハンマーなどでコンクリートを砕いていく作業。ヘルメットや耳栓、ゴーグルが必須ではつりの回数でスクリューの状態が大きく分かれる。長い柄のハンマーを自作して、こまめにはつりをするケースもある。

ミキサー車の構造(2)コンクリートの品質を保つ仕組み

ミキサー車の中は一体どうなっているのでしょう?あの丸いタンクの中は空洞になっているわけではなく、コンクリートの品質を落とさずに運搬できる仕組みになっています。大きなタンクの内側に大きなブレードが二枚入っています。そのブレードはらせん状(アルキメディアンスクリュー)になっていて、お互いがぶつからないように均等な幅があいています。タンクが回転することによって生コンクリートが流動的に移動します。ブレードで攪拌(かくはん)されることで、比重の重たい砂利や砂が沈殿することなく混ぜられる仕組みになっているのです。

トミカのおもちゃに、透明な筒の中をらせん状のスクリューが回って車が登っていくのを見たことはありませんか?あれがアルキメディアンスクリューのしくみです。

ミキサー車の構造(3)生コンクリートを排出する仕組み

らせん状のブレードは、アルキメディアンスクリューの働きによりクルクル回転運動でブレードにのった液体を回転方向に移動させます。ブレードの回転で上部から下部に生コンクリートが移動し、逆回転で下部から上部に生コンクリートが移動して排出されます。スムーズに回転させるためには洗浄が非常に重要です。

ミキサー車のサイズの目安

ミキサー車のベースは国内メーカーのトラックが使われています。国産のトラックメーカーそれぞれの小型車・中型車・大型車を使用していて、架装メーカーが違います。ミキサー車の架装の場合、極東開発工業、KYB、新明和工業がそれぞれ製作しています。ベース車のサイズによって、タンクの大きさが違うので工事現場のスケールによって活躍するミキサー車が変わってきます。

  • 小型(3t)→タンク容量2.5㎥、最大混合容量1.2㎥
  • 中型(4t)→タンク容量3.2㎥、最大混合容量1.6㎥
  • (5.5t)→タンク容量4.4㎥、最大混合容量2.2㎥
  • (7t)→タンク容量5.6㎥、最大混合容量2.8㎥
  • (8t)→タンク容量6.3㎥、最大混合容量3.2㎥
  • 大型(20t)→8.3~9.8㎥、最大混合容量4.2~5㎥

※大型はタンクの仕様の違いによる(低床など)

ただ注意したいのは、最大混合容量です。生コンクリートは建造物の大きさや場所によって、品質を変えなければなりません。毎日同じ生コンとは限らないので、種類によって最大混合容量が違います。目安としてはタンクの容量の約半分と考えておきましょう。

ミキサー車とともに活躍するポンプ車とは?

工事現場はどこも同じ場所ではありません。住宅街の基礎の様に狭い場所や、ビルの様に高い場所に生コンクリートを届けるにはミキサー車では入り込めない場所があります。また港では、コンクリートブロックを作る際に直接大きな型枠にコンクリートを流し込まなければなりません。こんな時にミキサー車とともに活躍するのが、ポンプ車(コンクリートポンプ車)です。車体に折り畳み式のホースがついている、ブーム付きピストンクリートとブーム付きスクイーズクリートがあります。

どちらも圧送式ですが、ピストン式は油圧方式でシリンダー内に生コンクリートを吸い込み一気に押し出します。スクイーズ式は繰り出し式で、ホース内の生コンクリートを回転させたローラーによって押し出す仕組みです。コンクリートポンプ車はまず、工事現場に到着したらアウトリガーを伸ばして車体を安定させます。次にミキサー車より、車体後部のホッパに生コンクリートを流し入れてもらいます。

流しこまれた生コンクリートは、長いブームの先にあるホースの先端から目的の場所へ排出されます。ブームの長さは最長で39mにもなります。このコンクリートポンプ車も、打設作業が終わったら速攻、洗浄しなくてはなりません。まずホッパをきれいに水で流し、ホースの洗浄はホースと同じ径の円筒状(みかんの缶詰のような)スポンジを吸い込ませます。すると汚水とともに最後にはスポンジが出てきて洗浄が終わります。

スポンジさえあればホースの中を勝手に掃除してくれるので、ミキサー車の様に複雑な形状ではない分洗浄が簡易かもしれません。このポンプ車もベース車の国産トラックがあり走行距離と、ポンプの使用時間とで寿命が変わってくる。

ミキサー車の洗浄と汚水

コンクリートミキサー車もコンクリートポンプ車も、どちらも作業後の洗浄が大切です。車両を長持ちさせるのも、架装部分の寿命を延ばすのも洗浄にかかっているといっても過言ではありません。どちらかといえば、ポンプ車のドライバーさんよりもミキサー車のドライバーさんの方が大変かもしれません。こまめな洗浄をしていても、はつり作業は必要です。水の冷たい冬場や、夏の繁忙期にはつり作業をするよりも春と秋にする方が多いようです。そのため、ドライバーさんの年収はミキサー車の方が多いケースも。

洗浄でもう一つ大切なのが汚水です。コンクリートを洗浄した汚水はバケツなどにためて置き、ミキサー車の場合タンクに戻して会社まで持ち帰ります。この汚水を練り水などに使用するほかは、産業廃棄物として処理しなければ、プラントにペナルティが来ます。ミキサー車の寿命を決める洗浄も、この点に注意しましょう。

ミキサー車の構造まとめ

ミキサー車の構造は架装部分とトラックの部分に分かれます。トラックがセミオートマなら、燃費が違います。中にはGPSと連動して走行時間が長くならないようにリアルタイムで確認できるなど、トラックのグレード、装備の違いで便利なミキサー車が中古市場でも見られるようになりました。ミキサー車としての走行距離と、タンクの使用時間は寿命が違います。はつりの回数や洗浄の手間や使い勝手、車両の走行距離が気になった場合、買換えるのも一つの方法です。

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