車の冷却水はエンジンの熱を適切に管理する重要な役割を果たし、減るとオーバーヒートなど深刻なトラブルを招きます。万一冷却水の補充が必要になったとき、身近なガソリンスタンドで作業を頼む際の費用(値段)が気になる方は多いでしょう。ガソリンスタンドでは給油ついでに冷却水のチェック・補充ができる手軽さが魅力ですが、補充料金や購入価格の相場は把握しておきたいところです。本記事ではガソリンスタンドでの冷却水補充費用の相場や作業内容、市販品の価格との比較などを詳しく解説します。
目次
ガソリンスタンドで冷却水補充の値段はいくら?
ガソリンスタンドで冷却水を補充する場合、一般的に工賃込みで1,000~3,000円程度の費用がかかるといわれています。補充する量によって価格は変動するため、おおよその目安を知っておくことが重要です。
冷却水補充の基本費用相場
ガソリンスタンドで冷却水補充を依頼する際の費用は、1,000円~3,000円程度が一般的です。補充に必要な量にもよりますが、1本(約1リットル)あたりで見ると、冷却水自体の価格は500~1,000円前後となる場合が多いです。少量の補充であれば工賃は抑えられ、ほとんどが冷却水本体の料金というケースもあります。
冷却水本体価格と作業工賃の内訳
実際にガソリンスタンドで補充した事例では、1本900円の冷却液を2本使用して1,800円になった報告があります。一般的なカー用品店で販売されている冷却水は同量で500~800円程度ですので、ガソリンスタンドでの販売価格はやや高めです。一方、補充作業自体の工賃は簡単な作業であれば高くありません。つまり、ガソリンスタンドで冷却水補充を依頼すると、多くの場合料金の大部分は冷却水本体の価格が占めます。
補充量や店舗による価格差
補充量が増えるほど費用は高額になります。また、ガソリンスタンドごとに価格設定も異なります。セルフ式スタンドでは比較的安価な価格で提供される場合がありますが、フルサービス店では点検サービス込みで料金が高めに設定されていることもあります。地域やガソリンスタンドチェーンによっても価格差があるため、複数店舗で見積もりを取って比較するのも一つの手です。
ガソリンスタンドで冷却水補充は可能?メリット・デメリット

ガソリンスタンドでは給油以外にも車両メンテナンスを受け付ける店舗があります。冷却水補充を依頼したい場合、スタッフに作業をお願いすれば対応してくれる場合が多いです。ただし、店によってサービス内容や利用方法が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
ガソリンスタンドでの補充手順
給油時にスタッフに「冷却水補充をお願いします」と伝えれば作業してくれます。セルフ式スタンドの場合は店内カウンターやインターホンで係員を呼び、冷却水を補充してほしい旨を伝えましょう。スタッフがエンジンルームを開け、リザーバータンクの水位を確認して不足分を補充してくれます。
セルフ式と有人店の対応の違い
有人店(フルサービス)のガソリンスタンドでは、常にスタッフが待機しているため気軽に補充を依頼できます。一方、セルフ式スタンドではスタッフが常駐していない場合もあります。セルフ式でもインターホンを使えば対応してもらえることが多いですが、混雑時や夜間では受付不可となるケースもあります。
補充を頼むメリット
ガソリンスタンドで冷却水補充を頼むと、以下のようなメリットがあります。
- 給油中に作業できるため手軽。
- スタッフが車両全体の状態を確認してくれることがある。
- 工具や冷却水を自分で用意する手間が不要。
補充を頼むデメリット
考慮すべきデメリットは以下の通りです。
- ガソリンスタンドでの冷却水販売価格は高めに設定されている場合がある。
- 必要以上に高額な全量交換メニューを勧められることが稀にある。
- 混雑時や深夜帯など、スタッフ対応が難しい時間帯がある。
冷却水をガソリンスタンド以外で購入するとどう違う?価格比較
冷却水はガソリンスタンド以外でもカー用品店やホームセンター、通販サイトで購入できます。それぞれ価格や購入時のメリット・注意点が異なるため、比較してみましょう。
カー用品店・ホームセンターでの販売価格
カー用品店やホームセンターでは、冷却水が1本あたり500~1,000円程度で販売されています。大手カー用品店では2L以上の大容量パックが安く購入できることもあります。店頭購入であれば在庫があればすぐに手に入り、自宅で好きなときに補充できるのがメリットです。
通販サイトで冷却水を買う場合
オンライン通販では豊富なラインナップがあり、安価な製品も見つかります。まとめ買いで送料無料になることも多く、ガソリンスタンドや店舗より安い場合があります。ただし、配送に日数がかかるため、急ぎで必要な場合は留意が必要です。
自分で補充するメリットと注意点
自宅で冷却水を補充するメリットは、必要な量だけ購入して継ぎ足せるため費用を抑えられる点です。少量の補充なら数百円程度で済むこともありますし、好きなタイミングで作業できます。
ただし、正しい手順を知らずに作業するとオーバーフローや希釈比のミスによるトラブルが起きるリスクがあります。作業前に取扱説明書で指定の冷却水の種類や混合比を確認しましょう。
冷却水の役割と交換時期の目安
冷却水は単なる水ではなく、防錆剤や凍結防止剤などを含む専用液です。エンジン内の熱をラジエーターで冷却し、適切な温度を保つ役割があります。冷却水が不足するとオーバーヒートの原因になるため、定期的に点検して不足分を補充することが重要です。
冷却水(クーラント)の役割
冷却水はエンジン内を循環して熱を吸収し、ラジエーターで冷却して再びエンジンへ送る役目を担います。腐食抑制剤を含んでおり、冷却系統の錆びを防ぐ効果もあります。また、寒冷地では凍結防止剤の役割も果たし、エンジンを保護します。
冷却水が減る原因とトラブルのサイン
通常、冷却水が急激に減ることは少ないです。もし減っている場合は、ホースの劣化や接続部の緩みなどによる漏れの可能性があります。
冷却水が減ると水温計の上昇や警告灯点灯などの兆候が現れますので、これらのサインを見逃さずに早めに点検しましょう。
交換・補充のタイミング
一般的に冷却水は2~3年(または3万~5万km)ごとの交換が推奨されています。最近のLLC(ロングライフクーラント)採用車では交換間隔が長くなることもありますが、取扱説明書に記載されたメンテナンススケジュールを守りましょう。走行距離が少なくても水位が低い場合はすぐに補充し、定期的に水位を確認する習慣をつけてください。
冷却水の種類と選び方のポイント
冷却水にはさまざまな種類があり、用途に応じて特徴が異なります。製品を購入する際は車種や自動車メーカーの指定する規格を確認し、適合する冷却液を選びましょう。以下では代表的な冷却液のタイプと選び方のポイントを紹介します。
LLC(ロングライフクーラント)とは
LLC(ロングライフクーラント)は、長期間使用できるよう添加剤を強化した高寿命タイプの冷却水です。通常の冷却水よりも防錆性能が高く、3年~5年程度の交換サイクルで使用できます。多くの最新車で採用されており、こまめな交換の手間を減らしたい方に適しています。
通常の冷却水との違い
従来型の冷却水には無機系の腐食抑制剤が使われており、交換周期はおおむね2~3年程度です。LLCと比べると寿命は短いですが、価格は抑えられる利点があります。ただし、従来型とLLCでは添加剤の組成が異なるため、混合すると両方の効果が低減する恐れがあります。
自動車メーカー指定の冷却水を選ぶ理由
多くのメーカーは車両ごとに適切な冷却水規格(例:JIS規格など)を指定しています。指定された冷却水を使用することで腐食抑制や凍結防止性能が確実に発揮され、エンジンを適切に保護できます。特に輸入車では専用クーラントが用いられる場合が多いため、可能な限りメーカー指定の冷却液を使用しましょう。
冷却水を補充・交換する際は、異なる種類(例えばLLCと従来型)を混ぜないよう注意が必要です。混合すると沈殿物や腐食が発生しやすくなり、最悪の場合エンジンが故障するリスクがあります。既に異なる冷却水を混ぜてしまった場合は、できる限り早く冷却系を洗浄し、指定の冷却液で完全に入れ替えることをおすすめします。
まとめ
ガソリンスタンドでは冷却水の補充や交換を手軽に依頼できますが、冷却液本体の価格はカー用品店や通販と比べると割高になることが多いです。コストを抑えたい場合は、市販の冷却水を購入して自宅で補充する方法もあります。いずれにせよ、冷却水が減るとオーバーヒートのリスクが高まるため、定期的に水位をチェックし、必要であれば早めに補充・交換しましょう。