大型免許更新には普通免許にはない独自の注意点があります。必要な書類や期間、費用など基本的な手続きに加え、視力・聴力検査の基準や高齢者講習の受講も不可欠です。この記事では大型免許更新の全体の流れや最近導入された予約制度などの最新情報をまとめ、初めてでも不安なく更新できるよう詳しく解説します。
目次
大型免許更新に必要な書類と手続き
大型免許の更新も普通免許と同様に、誕生日前後1ヶ月が更新期間です。更新時には管轄の警察署や運転免許センターで手続きを行います。必要な書類として運転免許証更新連絡書(更新通知はがき)、現在の免許証、写真、本人確認書類などがあります。
- 更新通知ハガキ:誕生日前約1ヶ月に届く書類。紛失していても更新手続き自体は可能です。
- 運転免許証:現在有効な免許証を提出します。
- 本人確認書類:マイナンバーカードや健康保険証など写真つきの身分証明書。これらがない場合は警察署での本人確認となり時間がかかるかもしれません。
- 写真:縦3cm×横2.4cm、最近6ヶ月以内に撮影した無帽正面写真(免許センターで撮影も可)。
更新通知ハガキと更新期間
更新通知ハガキには更新期間や更新会場、講習区分などが記載されています。通常、誕生日前の約一ヶ月(概ね35日前)に郵送されてきますので、到着したら内容をよく確認してください。なお更新期間は誕生日前月の同日から翌月の同日までの約2か月間で、この期間を過ぎると免許が失効となります。更新の際は期限に余裕を持って手続きするようにしましょう。
大型免許更新の更新期間と予約方法

免許更新は誕生日前後1ヶ月間が更新期間で、この期間内に公安委員会(警察署や運転免許センター)で手続きを行います。近年、多くの都道府県で免許更新が完全予約制になっており、特に東京都・愛知県・大阪府などでは更新手続きを予約してから行う必要があります。更新通知ハガキに記載された予約IDを使ってウェブや電話で日時を指定し、予約を済ませてから来場してください。予約なしで来場すると手続きできない場合があるため注意が必要です。
更新期間の確認方法
更新期間は免許証の有効期限(誕生日の1か月後の日)の前月同日から翌月同日までです。更新連絡ハガキには更新期間が明記されているので、誕生日前後はスケジュールに余裕を持って予定を立てましょう。更新期間が過ぎると免許は失効してしまうため、早めに手続きを済ませることをおすすめします。
事前予約の必要性
更新通知ハガキに記載された予約用IDを使って、ウェブサイトか電話で更新日時を予約します。予約は8:30~午後まで30分刻みで選択可能で、空き枠があれば都合の良い時間帯を指定できます。大型免許更新でも同様に予約制が適用されます。なお、70歳以上の高齢者講習受講者など一部の場合は予約不要となることがありますが、ほとんどのケースでは事前予約を済ませてから更新に臨むようにしましょう。
大型免許更新の費用と講習内容
大型免許更新時に必要な手数料は更新手数料と講習手数料の合計です。更新手数料(改定後)は約2,250円で、これに講習手数料が加わります。講習区分に応じて講習時間と手数料が異なり、例えば優良運転者であれば講習30分・講習料500円、一般運転者であれば講習60分・講習料800円となります(合計費用はそれぞれ約3,000円、約3,300円)。違反歴のある場合や初回更新では講習120分・講習料1,350円(合計約3,850円)です。70歳以上の高齢者は高齢者講習が前提となるため、更新時に支払うのは更新手数料のみ(約2,250円)となります。
| 講習区分 | 講習時間 | 更新費用(手数料合計) |
|---|---|---|
| 優良運転者 | 30分 | 約3,000円(更新約2,250円+講習500円) |
| 一般運転者 | 60分 | 約3,300円(更新約2,250円+講習800円) |
| 違反運転者 | 120分 | 約3,850円(更新約2,250円+講習1,350円) |
| 初回更新者 | 120分 | 約3,850円(更新約2,250円+講習1,350円) |
70歳以上の特例
70歳以上で大型免許を更新する場合は、高齢者講習の受講が義務付けられています。すでに高齢者講習(認知機能検査含む)を終えている場合、更新時に支払う手数料は更新手数料のみ(約2,250円)で済みます。講習手数料は免許更新時にかからないため、通常の更新よりも負担が軽減されます。高齢ドライバーは免許更新ハガキが届いたら早めに高齢者講習を予約し、修了証を更新当日に持参しましょう。
大型免許更新の適性検査と準備
大型免許更新では、普通免許更新よりも厳しい視力・聴力検査が課されます。具体的には、視力は両眼で0.8以上(一眼で0.5以上)、深視力検査(三本桿法)では平均誤差2cm以内の精度が求められます。聴力検査は両耳で10m先の90dB音を聞き取ることが基準です。
- 視力検査:両眼0.8以上、一眼0.5以上。
- 深視力検査:三本桿法で平均誤差2cm以内。
- 聴力検査:両耳で10m先の90dB音が聞こえること。
現在視力や聴力に不安がある方は、更新前に眼科・耳鼻科で検査を受けておくと安心です。眼鏡やコンタクトレンズは検査時に使用可能な場合が多いので、準備しておきましょう。深視力検査は平衡感覚や集中力も影響するため、検査前日は十分な睡眠をとりリラックスして臨むことをおすすめします。
大型免許更新の注意点とよくある質問
大型免許更新では住所変更や免許紛失といった細かな点にも注意が必要です。免許更新に当たって念頭に置きたいポイントを以下にまとめました。
住所・氏名変更がある場合
引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わっている場合、更新と同時に免許証の記載事項を変更できます。その際、住民票(本籍地記載、マイナンバーカード不要)や健康保険証など、変更後の住所・氏名が確認できる公的書類が必要です。事前に免許証の変更届出が済んでいなくても更新窓口で手続き可能ですが、必要書類を忘れないようにしましょう。
免許証紛失・通知未着の場合
更新通知ハガキや免許証を紛失していても更新手続きは可能です。更新通知ハガキがない場合は受付でその旨を伝えれば手続きできますし、免許証を紛失していても再交付手続きを同時に進めることができます。ただし窓口での処理に時間がかかる場合があるので、健康保険証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を持参し、余裕を持って申し込みましょう。
更新期間を過ぎた場合の対応
更新期間を過ぎるとその免許は失効扱いとなります。失効から6ヶ月以内であれば、更新時と同じ講習と適性検査を受けることで免許が再交付されますが、6ヶ月を超えると免許試験(学科・技能)が必要な「再取得」扱いとなります。大型免許の場合も同様なので、更新期限が近づいたら早めに更新手続きを行いましょう。
高齢者講習の受講
70歳以上で大型免許を更新する場合は、更新前に指定の高齢者講習(75歳以上は認知機能検査と実技指導)の受講が必要です。通常、誕生日の6ヶ月前から受講可能で、更新期限までに修了証明書を免許センターへ提出します。講習を受けなければ更新できなくなるため、早めに予約し余裕を持ってスケジュールしてください。
まとめ
大型免許の更新手続きは、優先して確認すべき書類や予約方法さえ押さえれば、基本的にはスムーズに行えます。視力・聴力の基準が厳しい点や高齢者講習など独自の要件もありますが、更新通知ハガキに従い期限内に必要な手順を済ませれば慌てる必要はありません。手数料や講習時間も事前に把握し、余裕を持って更新に臨みましょう。大型免許を安全に使い続けるために、必要事項は早めに準備して確実に手続きを進めてください。